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9 文章を整理する


  (1)小文をつなげる

  (2)内容の順序を整える

  (3)同じ文型を繰り返す

  (4) 数字を読みやすく表現する

  (5)効果的に句を使う

 

 

9 文章を整理する

 

(1)小文をつなげる

 

日本文の内容を表現した英語の小文をどのようにつなげるかは、文章を読みやすく(内容の把握が簡単で正確である)するために大切です。いろいろなつなげ方があるので例題をみてみましょう。

 

例題 1:初級練習問題 101

 

「九月の十勝沖地震で津波警報が発令された自治体のうち、三割を超す七市町が避難勧告を出さなかった。」

 

先ずは小文分割です。

 

1.       十勝沖地震が九月に起きた。

2.       気象庁は津波警報を市町に発令した。

3.       七つの市町が住民に避難勧告を発令しなかった。

4.       七つの市町は全体の市町の三割を越した。

 

日本文は短い中にいろいろな情報が詰まっています。先ずは詰まっている情報を整理して、どのような小文に分割できるか考えましょう。

 

「九月の十勝沖地震で」は「九月に十勝沖地震の起きたときに」のことですね。「九月に十勝沖地震が起きた。」という小文にしましょう。「津波警報が発令された自治体のうち」は「三割を超す七市町〜」につながっています。この文は受動態になっているので誰が津波警報を発令したか書いてありません。英文では一般に能動態のほうが受動態より表現がやさしく内容もはっきりするので、気象庁を主語にして「気象庁は市町に津波警報を発令した。」という小文を作りましょう。原文では自治体になっていますが、文の後半では市町になっているので、市町で統一しましょう。

 

「三割を超す七市町が避難勧告を出さなかった。」は「七市町(これは全体の市町に三割を越す)は住民に避難勧告を出さなかった。」ということなので、「七つの市町が住民に避難勧告を出さなかった。」と「七つの市町は全体の市町の三割を越した。」の二つの小文に輪分けておきましょう。

 

1.       The Tokachi Offshore Earthquake happened in September.

2.       The Japan Meteorological Agency issued a tsunami warning.

3.       Seven cities and towns did not issue an evacuation order to their residents.

4.       These seven cities and towns were over 30 percent of the cities and towns.

 

1と2は1をwhenで始まる従属節でつなげられます。

When the Tokachi Offshore Earthquake happened, the Japan Meteorological Agency issued a tsunami warning.

 

3と4ではseven cities and townsが共通しているので関係代名詞thatを使ってつなげられます。Seven cities and towns, that were over 30 percent of the cities and towns,

 did not issue an evacuation order to their residents.この関係代名詞節は七つの市町の補足説明なので関係代名詞説をコンマで囲います。これで3と4のつながりは完成しました。もっと簡潔に表現したいときには Seven cities and towns, over 30 percent of the cities and towns, did not issue an evacuation order to their residents.とできます。ここでover 30 percent of the cities and townsは前のseven cities and towns と同格の説明句になっています。

 

全体の文章は次のようになりました。

 

When the Tokachi Offshore Earthquake happened in September, the Japan Meteorological Agency issued a tsunami warning. Seven cities and towns, over 30 percent of the cities and towns, did not issue an evacuation order to their residents.

 

 

例題 2:初級練習問題 145

 

「札幌狸小路商店街振興組合は一丁目から七丁目までの約一キロ区間に、夜間でも人相や車両ナンバーが識別できる高性能カメラ十四台を設置した。画像は光ファイバーケーブルを通じて商店街内の制御室に集約され原則として二日間保存。常時監視はせず事件事故発生時に限り再生、閲覧すると定めている。画像は理事会の承認を経て警察などに提供する。」

 

一見すると英文で表現するのが難しいような日本文ですね。「識別」、「集約」、「常時監視」、「事件発生時」、「閲覧」などの漢字の熟語が多いせいでしょう。しかし、漢字熟語は一般に和語より意味が限定されているので英文で表現しやすいのです。ですから、漢字の多い文章はかえって英文になじみます。

 

この日本文は情報量が多いので、まず小文分割をしてから、小文と小文の関係を文章全体が読みやすく、内容が読者に明確に伝わるように整理しましょう。

 

「札幌狸小路商店街振興組合は一丁目から七丁目までの約一キロ区間に、夜間でも人相や車両ナンバーが識別できる高性能カメラ十四台を設置した。」

 

「札幌狸小路商店街振興組合は(一丁目から七丁目までの約一キロ区間に)高性能ビデオカメラ十四台を設置した。」

 

こうすると(主語+動詞+目的語)の基本文型に(場所)を付け足せばよいですね。「札幌狸小路商店街振興組合」は「札幌にある狸小路商店街振興組合」としてthe Association of Tanukikoji Shopping Districtとしましょう。「振興」が明示してありませんが商店街の組合ですから、目的は読者にわかるでしょう。「狸小路」は面白い名称なので、もしこの意味を説明するとthe Association of Tanukikoji (the Raccoon Alley) Shopping Districtと表現できます。しかし、一般に場所の通称は、特に意味を説明したい場合を除けば、日本語の読みのアルファベット表現でよいでしょう。

 

The Association of Tanukikoji Shopping District in Sapporo has installed fourteen high-powered video cameras along the one kilometer street between the first and seventh block.

 

「一丁目から七丁目までの約一キロ区間に」には「一丁目から七丁目までの約一キロの道に沿って」と言い換えます。

 

「夜間でも人相や車両ナンバーが識別できる。」は「このビデオカメラ」を主語にすると「このビデオカメラは(夜間でも)人相や車両ナンバーを識別できる。」と〈主語+動詞+目的語〉の基本文型になります。

 

The video camera can recognize human faces and automobile numbers even at night.

 

人相や車両ナンバーを識別するのはカメラではなく人間ですが、英文でも上記のような表現を使うことができます。

 

画像は光ファイバーケーブルを通じて商店街内の制御室に集約され原則として二日間保存。」

 

「ビデオカメラで撮った画像は(光ファイバーケーブルを通じて制御室に)送られる。」

「画像は(制御室に原則として)二日間保存される。」

 

上の二つの小文の内容はどちらも「ビデオカメラで撮った画像」を主語にすると受動態で表現できます。

 

The pictures taken by the video cameras are all sent to the control room via optical fiber cables.

制御室は文章に初めて出てきますが、一つしかないものなのでthe control roomと定冠詞をつけます。

The pictures are stored at the control room in principle for two days.

 

「常時監視はせず事件事故発生時に限り再生、閲覧すると定めている。画像は理事会の承認を経て警察などに提供する。」

 

隠された主語を補足して「振興会は画像を常時監視しないで、事件や事故があったときだけ再生して閲覧する。」とします。

 

The Association does not always monitor the pictures but replays and watches them only when there is an incident or accident.

 

「定めてある」とありますがが、上の文でこの意味は含まれています。

 

「振興会は(必要があるときは、それが理事会の承認を得られた時は)画像を警察に提出できる。」とすると(主語+動詞+目的語)の文型になります。

 

The Association can present the pictures to the police, if necessary, when it is approved by the board of Association.

 

「警察など」とあるので警察以外の組織ももあるでしょうが、何かわからないので警察だけにしておきましょう。

 

さあこれで全部の小文ができましたから並べてみましょう。

 

The Association of Tanukikoji Shopping District in Sapporo has installed fourteen high-powered video cameras along the one kilometer street between the first and seventh block. The video camera can take pictures that can recognize human faces and automobile numbers even at night1. The pictures taken by the video cameras are all sent to the control room via optical fiber cables2. and The pictures are stored at the control room in principle for two days3. The Association does not always monitor the pictures but replays and watches them only when there is an incident or accident. The Association can present the pictures to the police, if necessary, when it is approved by the board of Association.

 

文章全体の内容の流れは良いですね。しかし、2と3にthe picturesとあるのに1で最初にビデオカメラが出てくるときにthe picturesが無いので1と2,3との連絡が少し悪いようです。上のようにpictures を入れてみましょう。2と3は主語が同じなので一つの文にまとめましょう。

 

最終的に文章は次のようになります。

 

The Association of Tanukikoji Shopping District in Sapporo has installed fourteen high-powered video cameras along the one kilometer street between the first and seventh block. The video camera can take pictures that can recognize human faces and automobile numbers even at night. The pictures are all sent to the control room via optical fiber cables and are stored in principle for two days. The Association does not always monitor the pictures but replays and watches them only when there is an incident or accident. The Association can present the pictures to the police, if necessary, when it is approved by the board of Association.

 

 

(2)内容の順序を整える

 

例題 1:初級練習問題 74

 

「8月10日日午前10時ごろ、福岡市中央区の5階建て立体駐車場の屋上から、普通乗用車が鉄さくを突き破り、道路を挟んだ向かいの2階建て雑居ビル屋上に転落した。運転手の男性は1時車内に閉じこめられたが救出され軽傷。」

 

日本文は連体形、連用形を使って文が長くなる傾向があります。このよう長い日本文の内容を整理して英文で表現してみましょう。

 

日本文の内容を時間を追って整理しましょう。先ずは重要な内容だけの日本文の小文にしてみましょう。

 

1.       乗用車が立体駐車場の鉄さくを突き破った。

2.       乗用車は雑居ビルの屋上に転落した。

3.       運転手は自動車に一時間閉じ込めらた。

4.       運転手は軽症をおった。

 

1.       A passenger car crashed through an iron fence.

2.       The passenger car fell onto the roof of a multi-tenant building.

3.       The driver was trapped in the car for an hour.

4.       The driver suffered a minor injury.

 

これらの小文に日時、場所などの情報を付け加えます。

 

1.       (8月10日日午前10時ごろ)乗用車が(福岡市中央区の5階建て立体駐車場の屋上)の鉄さくを突き破った。

About ten o’clock in the morning on August 10, a passenger car crashed through an iron fence on the rooftop parking space of a five-story parking building at Chuo Ward in Fukuoka City.

 

立体駐車場はa parking buildingでよいでしょう。この駐車場は屋上も駐車できるようなっているので、the rooftop parking spaceと説明しましょう。roofは普通や屋根なので、これだけでは何故自動車が屋根に上に駐車していたのか、という疑問がうかびます。About ten o’clock in the morningは簡単に About 10:00 am としてもよいでしょう。

 

2.       乗用車は(道路を挟んだ向かいの2階建て)雑居ビルの屋上に転落した。

 

The passenger car fell onto the roof of a two-story multi-tenant building at the other side of the street.

 

3.       (男性の)運転手は(救出されるまで)1時間車に閉じ込められた。

 

The male driver of the car was trapped in the car for an hour before he was rescued.

 

「彼が救出されるまで」は「〜まで」とあるのでtill he was rescuedとしたくなりますが、before he was rescuedbefore を使うのが普通です。

 

4.       運転手は軽症をおった。

 

The driver suffered a minor injury.

 

では、小文を並べて、因果関係が良くわかるか、重複を省略できるところはないか、しらべてみましょう。

 

About ten o’clock in the morning on August 10, a passenger car crashed through an iron fence on the rooftop parking space of a five-story parking building at Chuo Ward in Fukuoka City. 1The passenger car fell onto the roof of a two-story multi-tenant building at the other side of the street. The male driver of the car was trapped in the car for an hour before he was rescued. The driver suffered a minor injury2.

 

1の所は「乗用車がさくを突き破って、向かいにビルの屋上に落ちた。」と連絡していたほうがよいですね。and を使って二つの小文をつなぎましょう。

 

この小文は前の小文を読んだ読者には内容の連結が良くわかるので、独立した小文のままでよいでしょう。「さて、運転手はどうなったのかな?ああ、軽症ですんだのか。」と読者は読みます。軽症を強調するためにonly a minor injuryとするのもよいでしょう。

 

About ten o’clock in the morning on August 10, a passenger car crashed through an iron fence on the rooftop parking space of a five-story parking building at Chuo Ward in Fukuoka City and fell onto the roof of a two-story multi-tenant building at the other side of the street. The male driver of the car was trapped in the car for an hour before he was rescued. The driver suffered only a minor injury.

 

この例題のように、長い日本文で時間関係、因果関係がたくさん入っているときは、まず要点だけの入った小文でこれらの関係を整理します。それからおまけの情報を入れると英文の表現がやさしくなります。

 

例題 2:初級練習問題 133

 

「KDDIは携帯電話で住所を話すだけで日本全国の地図を画面に表示できるサービスを1月29日から始める。利用者が「東京都千代田区大手町」と話すだけで携帯電話の画面に周辺地図を受信できる仕組みである。」

 

KDDIは携帯電話で住所を話すだけで日本全国の地図を画面に表示できるサービスを1月29日から始める。」に「携帯電話で住所を話すだけで日本全国の地図を画面に表示できるサービス」という長い連体形修飾節の付いた名詞句がありますね。「連体形修飾節は独立した文に分けられるか考える」という日本文の内容を英文で表現するときのコツの一つを応用してみましょう。

 

1.       「1月29日からKDDIは携帯電話利用者のためのディジタル地図サービスを始める。」

2.       「携帯電話利用者は携帯電話に住所を話すと、携帯電話にその住所の地図が表示できる。」

3.       「携帯電話利用者は日本のどこの住所でも携帯電話に表示することができる。」

 

残りの日本文を少し言い換えてみます。

 

4.       「携帯電話利用者が携帯電話に、東京都千代田区大手町、と話すと、その周辺の地図が携帯電話の画面に現れる。」

 

1、2、3は日本文で長い連体形修飾節のある文を分割したものですが、もとの日本文の骨格は「KIDIは(新しい)サービスを始める。」ですね。KIDI will start a new service.とすると、読者はこのa new serviceが何かは、次の文を読むまでわかりません。次の文に目が移るのにかかる時間は0.1秒ぐらいでしょうが、心理的には「これは何かな?」という時間があります。この文はキーセンテンスで、文章の要約になりますから、簡単にこのサービスの内容を説明するような言葉があると良いですね。この例題ではa new digital map serviceとしました。すると、1は次のように表現できます。

 

On January 29, KIDI will start a new digital map service for cellular phone users.

 

2は「〜すると、次に〜だ。」という関係の二つの小文の組み合わせですね。andで二つの文がつなげます。

 

Cellular phone user speak an address into the cellular phone and can show a map on the screen of the cellular phone.

 

3は「日本全国どこの住所でも」という大切な情報が入っています。

 

Cellular phone users can show a map of any address in Japan on the screen of the cellular phone.

 

これは2の文の内容の補足なので2の中に次のように入れてみましょう。

 

Cellular phone uses speak any address in Japan into the cellular phone and can show a map on the screen of the cellular phone.

 

4は2の具体例の説明です。

 

Cellular phone user speaks “Tokyo Chiyoda Ward Ohtemachi,” and a map of this address will appear on the screen of the cellular phone.

 

2の内容と似ているので、この文を独立の文として文章に入れると内容の重複の感じになります。次のように例として2の中に入れてみましょう。

 

Cellular phone users speak any address in Japan, for example, “Tokyo Chiyoda Ward Ohtemachi,” and can watch a map of this address appear on the screen of the cellular phone.

 

「住所が携帯電話の画面に(表示できる)・(現われる)」と二つの表現方法がありますが、「画面に現われる」の方が具体的な感じがします。a map of this address will appear on the screen of cellular phoneでよいでしょう。更に工夫して、「地図が携帯電話の画面に現われるのを眺めることができる。」とするとcan watch a map of this screen appear on the screen of the cellular phone. という表現が使えます。

 

文章全体は次のようになります。

 

On January 29, KIDI will start a new digital map service for cellular phone users. Cellular phone uses speak any address in Japan into the cellular phone, for example, “Tokyo Chiyoda Ward Ohtemachi,” and can watch a map of this address appear on the screen of the cellular phone.

 

 

例題 3:初級練習問題 146

 

「ミネラルウオーターが日本社会にも定着してきた。消費は増え続けており、製造会社は全国約230にも上っている。しかし、五百ミリリットル入りのペットボトルは百円以上と、遠い中東などで原油を買って運び、製造したガソリンの二倍の高価格だ。ミネラルウオーターの製造費のうち最も高くつくのはペットボトルの容器代。五百ミリリットルの場合、一本20−30円。ラベル、キャップ、輸送用の段ボール箱、充てん作業費まで含めると、一本40−50円になる。」

 

日本文の文章の構成は大きな視点から始めてだんだんと細かなところを説明しています。英文の文章の構成もこのようにしてよいでしょう。大きな視点がキーセンテンスになります。数字が多いので、どの数字が何をさしているのか読者にわかりやすく表現することに注意しましょう。

 

「ミネラルウオーターが日本社会にも定着してきた。消費は増え続けており、製造会社は全国約230にも上っている。」

 

これが文章のキーセンテンスですね。三つの部分から出来ているので、それぞれの部分を英文で表現してみましょう。

「ミネラルウオーターが日本社会にも定着してきた。」

 

「定着する」を和英辞書で引くと、become established, take root, catch onなどが出ています。主語をミネラルウオーターに想定してこれらの動詞との相性を考えましょう。ミネラルウオーターは英語ではbottled mineral waterと表現するのが一般的です。Bottled mineral water is being established in Japan. Bottled mineral water is taking root in Japan. Bottled  mineral water is catching on in Japan. 1番目は相性が悪いです。A new habit of drinking bottled mineral water is being established in Japan. とすればよいでしょうが、すこし文が長くなります。2番目と3番目の文はbottled mineral waterを主語にしても動詞との相性がよいです。もうすこし丁寧に表現するならば、Bottled mineral water is becoming popular in Japan.でよいでしょう。

 

「ミネラルウオーターの消費が増加している。」

The consumption of bottled mineral water is increasing.

 

「製造会社は全国約230にも上っている。」という表現は日本文に多いですね。これを直訳(日本文の構成に近い形で英文にする)とThe number of companies producing bottled water is already 230 nationwide.となりますが、主語節が長くて読み難くなります。(主語+動詞+目的語)の基本文型にしてみましょう。

 

「現在は全国で230の会社がミネラルウオーターを製造している。」

At present, about 230 companies are supplying bottled mineral water nationwide.

「製造している」are producingでもよいですが、前の文にconsumptionとあるので、これに対応してare supplyingとするとわかりやすくなるでしょう。

 

三つの小文を並べてみましょう。

 

Bottled mineral water is catching on in Japan. The consumption of bottled mineral water is has been increasing. and by now At present, about 230 companies are already supplying bottled mineral water nationwide.

 

2番と3番の小文のつながりを上のように良くしました。

 

Bottled mineral water is catching on in Japan. The consumption of bottled mineral water has been increasing and by now about 230 companies are already supplying bottled mineral water nationwide.

 

「しかし、五百ミリリットル入りのペットボトルは百円以上と、遠い中東などで原油を買って運び、製造したガソリンの二倍の高価格だ。」

 

次のような小文に分割しましょう。

 

「ミネラルウオーターの値段は500ミリリットル入りペットボトルで100円以上だ。」

「この値段は同じ量のガソリンの2倍である。」

「ガソリンは中東から輸入された原油から製造される。」 

 

The price of bottled mineral water is more than 100 yen for a 500 milliliter pet bottle.

This is twice as expensive as the same volume of gasoline.

Gasoline is produced from oil that is imported from the Middle East.

 

三つの小文を並べて、つながりを考えると次のようになります。

 

The price of bottled mineral water is more than 100 yen for a 500 milliliter pet bottle. This is twice as expensive as the same volume of gasoline. Gasoline that is produced from oil that is imported from the Middle East.

 

上の文でgasoline that is produced from ~ gasoline produced from ~と省略できますが、ここではガソリンは文章に初めて出てくるので、gasoline that is produce fromとしたほうがガソリンの説明がはっきりしてよいでしょう。

 

The price of bottled mineral water is more than 100 yen for a 500 milliliter pet bottle. This is twice as expensive as the same volume of gasoline that is produced from oil that is imported from the Middle East.

 

「ミネラルウオーターの製造費のうち最も高くつくのはペットボトルの容器代。五百ミリリットルの場合、一本20−30円。ラベル、キャップ、輸送用の段ボール箱、充てん作業費まで含めると、一本40−50円になる。」

 

数字が幾つか出てくるので、どれが何を指すのかに注意して小文分割をしましょう。

 

「ペットボトル入りミネラルウオーター製造の最大のコスト要素はペットボトル自身である。」

「500ミリリットルのペットボトルは20−30円のコストがかかる。」

「ラベル、キャップ、ダンボール箱、ダンボール箱にボトルを入れる労働力に他に20円かかる。」

「一本の500ミリッター入りペットボトルのミネラルウオーターを製造するのに全部で40−50円かかる。」

 

The largest element of cost for bottled mineral water in the pet bottle is a pet bottle itself.

A 500 milliliter pet bottle costs 20 to 30 yen.

The label, cap, cardboard box and labour to put the bottles into the box cost another 20 yen.

Altogether, it costs 40 to 50 yen to produce bottled mineral water in the 500 milliliter pet bottle.

 

4番目の小文は「Aを製造するのに〜円かかる。」It costs ~ yen to produce A. という文型を使います。

 

小文を並べてみましょう。

 

The largest element of cost for bottled mineral water in the pet bottle is a pet bottle itself. A 500 milliliter pet bottle costs 20 to 30 yen. The label, cap, cardboard box and labour to put the bottles into the box cost another 20 yen. Altogether, it costs 40 to 50 yen to produce bottled mineral water in the 500 milliliter pet bottle.

 

特に小文の連結を考えなくても文章の流れは良いですね。another 20 yen, altogether が小文の内容の連結に役立っています。

 

では文章全体を並べてみましょう。

 

Bottled mineral water is catching on in Japan. The consumption of bottled mineral water has been increasing and by now about 230 companies are already supplying bottled mineral water nationwide. But bottled mineral water is expensive.1 The price of bottled mineral water is more than 100 yen for a 500 milliliter pet bottle. This is twice as expensive as the same volume of gasoline that is produced from oil that is imported from the Middle East.

 

The largest element of cost for bottled mineral water in the pet bottle is a pet bottle itself. A 500 milliliter pet bottle costs 20 to 30 yen. The label, cap, cardboard box and labour to put the bottles into the box cost another 20 yen. Altogether, it costs 40 to 50 yen to produce bottled mineral water in the 500 milliliter pet bottle2.

 

1.       But bottled mineral water is expensive.という文を挿入して、この文の前後の文のつながりをよくしました。

 

2.       ここからはコストの説明になるので新しいパラグラフにすると読みやすくなるでしょう。

 

 

(3)同じ文型の繰り返し

 

例題 1:初級練習問題 76

 

「デジカメの購入時には画素数が気になります。デジカメ写真の使い方から考えると、ホームページの素材として使うなら100万画素以下、はがきサイズに印刷するなら130万ー200万画素、A4サイズに印刷するなら300万画素で十分です。」

 

この日本文には「ホームページの素材として使うなら100万画素以下」、「はがきサイズに印刷するなら130万ー200万画素」、「A4サイズに印刷するなら300万画素」と、同じ形式の表現が繰り返されています。このような繰り返しを英文で表現してみましょう。

 

先ずは小文に分割します。

 

1.       (私たちが)デジカメを購入する。

2.       (私たちは)は(デジカメの)画像が気になる。

3.       (私たちは)ホームページの素材に(写真を)使う。

4.       100万画素以下の(デジカメ)でよい。

5.       (私たちは)はがきサイズの(写真を)印刷する。

6.       130万から200万画素の(デジカメ)が必要とされる。

7.       (私たちは)A4サイズの(写真を)印刷する。

8.       300万画素の(デジカメ)で十分である。

 

日本文には英文の主語にあたるものが明示してありませんね。文の内容から見て、「私たち」または「あなた」を主語に出来ます。他の文でも読者にわかることはシィう略してあります。上の小文で括弧の中が省略されています。小文に分割するときは、先ずは省略された部分を補ってみましょう。

 

1.       We buy a digital camera.

2.       We are concerned with the number of pixels of the camera.

3.       We use pictures for homepages.

「ホームページの素材に使う」とありますが、use pictures for homepagesでわかりますね。

4.       Any camera with up to 1 million pixels will be all right.

5.       We print post-card sized pictures.

「はがきサイズの写真」の表現が難しいですね。We print pictures with a post-card size.と表現できますが、post-card sized picturesという便利な表現があります。sizedとしてあることに注意してください。「はがき大のサイズに拡大した写真」という意味がsizedにあります。「はがきサイズの写真」は一般化された表現なので、post-card size picturesとも表現できます。

6.       A camera with 1.3 million to 2.0 million pixels will be needed.

7.       We print A4-sized pictures.

8.       A camera with 3.0 million pixels will be needed.

 

では英語の小文を並べて、順序と連結をしらべましょう。

 

We buy a digital camera. We are concerned with the number of pixels of the camera. We use pictures for homepages. Any camera with up to 1 million pixels will be all right. We print post-card sized pictures. A camera with 1.3 million to 2.0 million pixels will be needed. We print A-4 sized pictures. A camera with 3.0 million pixels will be needed.

 

(1.2)、(3,4)、(5,6)、(7.8)と四つの対の小文の因果関係がはっきりしませんね。因果関係を明示してみましょう。

1.       When we buy a digital camera, we are concerned with the number of pixels of the camera.

2.       If you want to use pictures for homepages, any camera with up to 1 million pixels will be all right.

3.       If you want to print post-card sized pictures, a camera with 1.3 million to 2.0 million pixels will be needed.

4.       If you want to print A-4 sized pictures, a camera with 3.0 million pixels will be needed.

 

(1.2)はwhenで始まる従属節、(3,4)、(5,6)、(7,8)はifで始まる従属節で因果関係を明示しました。If we use pictures,we のままでも内容はわかりますが、日本文は読者にどの位の画素数を持つカメラが良いか、説明しているので、主語をyou に変更して文書に親近感を入れます。

 

上の2,3.4の文では従属節の主語がyouで、主節の主語がa cameraです。主節の主語もyou のほうが読みやすいので変更してみましょう。

 

1.       When we buy a digital camera, we are concerned with the number of pixels of the camera.

2.       If you want to use pictures for homepages, you will need a camera with up to 1 million pixels.

3.       If you want to print post-card sized pictures, you will need a camera with 1.3 million to 2.0 million pixels.

4.       If you want to print A-4 sized pictures, you will need a camera with 3.0 million pixels.

 

上の2,3,4は文型が同じです。芸が無いようですが、プレイン・イングリシュで書く実務文は内容を正確に読者に伝えることが目的ですから、同じ形式の内容は同じ文型で表現することが大切です。

 

すこし、工夫をして次のようにできます。

 

When we buy a digital camera, we are concerned with the number of pixels of the camera. For using pictures for homepages, you will need a camera with up to 1 million pixels. For printing post-card sized pictures, you will need a camera with 1 million to 2.0 million pixels. For printing A-4 sized pictures, you will need a camera with 3.0 million pixels.

 

日本文の内容を整理して、日本文の形式にとらわれずに英文で内容を書き直すと次のようにもできます。

 

When we buy a digital camera, we are concerned with the number of pixels of the camera. The number of pixels will depend on how you use pictures:

 

For using for homepages, 1.0million pixels.

For printing post-card sized pictures, 1 to 2 million pixels.

For printing A-4 sized pictures, 3.0 million pixels.

 

このように、同じ形式の内容を同じ文型で表現することを、「並列構造で表現する」といいます。内容を正確に伝えるときには大切な方法です。

 

 

(4)数字を読みやすく表現する

 

例題 1:初級練習問題 60

 

この講座の読者に、報告書のような実務文を英文で書く勉強をしている人も想定しているので、練習問題には数字のたくさん入ったものがあります。今回はこのような文章を例題にしました。

 

「佐賀県伊万里市の中心商店街で4月5日、長い巻き寿司作り大会が開かれた。約850人が協力して300.5メートルのノリ巻きを完成させた。昨年の大会では212メートルを記録。今回はそれを上回る300メートルを目標に、170キロの米と、1700枚のノリを用意。テーブルを並べた台上でく一斉に巻き上げた。」

 

「佐賀県伊万里市の中心商店街で4月5日、長い巻き寿司作り大会が開かれた。」では何を英文の主語にしますか?「大会が開かれた。」がこの文の主題なので、「大会」を主語に出来ますね。「大会」を和英辞書で引くと、a large meeting, a rally, a general meeting, a convention, a tournamentなどが出てきます。この文章の中ではどれもしっっくりしませんね。ここで「大会」は「特別イベント」のような意味で使われているので、a special eventとしました。A special event was held.英文でも「〜の会が開かれた。」は受動態で表現できます。「商店街」がこのイベントの主催者ならば、The Imari Retail Store Association organized a special event.というようにもっと明確に表現できます。しかし、例題では主催者が誰だかはっきりしないので、受動態にしておきます。

 

「長い巻き寿司作り」は「彼らは世界で一番長い巻き寿司を作った。」と文にして考えましょう。ここ10年ほど、北米では寿司レストランが普及してきています。私の住む人口90万人のエドモントンにも、なんと20軒以上の寿司屋があります。寿司のタネは空輸で世界中から取り寄せます。日本の寿司屋との大きな違いはいろいろな巻き寿司があることです。おかげで、sushi, makizushi(sushi roll)の言葉が(寿司を食べる人には)普及しています。それで、巻き寿司は英文で説明せずにmakizushiとしました。

 

A special event was held. They made the longest makizushi in the world (at the event).まで出来ました。あとは場所と日時を追加します。

 

On April 5, a special event was held at the shopping district of Imari, Sega Prefecture. At the event, they made the longest makizushi in the world.

 

「約850人が協力して300.5メートルのノリ巻きを完成させた。」は「約850人の人たちが一緒に働いた、そして300.5メートルの巻き寿司を作った。」とします。About 850 people worked together and made a 300.5 meter-long makizushi.「300.5メートルの巻き寿司」の300.5メートルという数字はthree hundred and half meter-longまたは300.5 meter-longとどちらの表現でも使えます。一般に、文章の中にたくさん数字の出てくるときは300.5 meter-longのように数字を使います。このほうが読者にとって文章の中の数字を比べるのがやさしくなるからです。300.5 meter-long-longを付け足したのは巻き寿司の長さだということをはっきりさせるためです。まあ、巻き寿司の直径が300.5メートルだと思う人は少ないでしょうが。

 

「昨年の大会では212メートルを記録。今回はそれを上回る300メートルを目標に、170キロの米と、1700枚のノリを用意。テーブルを並べた台上でく一斉に巻き上げた。」

 

上の文は次のように分割してみましょう。

「昨年の大会では、彼らは212メートルの巻き寿司を作った。」

「今年の大会では、彼らは300メートルの巻き寿司を作りたかった。」

「彼らは170キロの米と1700枚のノリを用意した。」

「彼らは総ての材料を一連のテーブルの上にのせた。」

「850人の人が一斉に巻き寿司をまき始めた。」

 

At the event last year, they made a 212 meter-ling makizushi.

At the event this year, they wanted to make a 300 meter-long makizushi.

They prepared 170 kilograms of rice and 1,700 sheets of nori.

They put all ingredients on a series of tables.

They started rolling the makizushi all at the same time.

 

キログラムのような量の単位はkgと簡略表現しないでkilogramsと書いたほうが読者に親切です。小文に分割するときに最後の二つの小文のように内容を補足するとわかりやすくなります。

 

さて、これで英語の小文はすべて完成したので、順に並べから、小文と小文の関連、省略できるところなどをしらべましょう。

 

On April 5, a special event was held at the shopping district of Imari, Sega Prefecture. At the event, they made the longest makizushi in the world. At the event last year, they made a 212 meter-ling makizushi. At the event this year,1 they wanted to make a 300 meter-long makizushi. They prepared 170 kilograms of rice and 1,700 sheets of nori. They2 put all ingredients on a series of tables. They3 started rolling the makizushi all at the same time.

 

この小文を前の小文ともう少し関連付けたいです。But at the event this year,But を入れてみましょう。

 

この小文も前の文との関連をよくしましょう。They prepared 170 kilograms of rice and 1,700 sheets of nori and put all ingredients on a series of tables.andを使って間単に連結できます。

 

この小文はちょっと唐突な感じがするので、「総ての材料がそろったときに、」を前に入れてみましょう。When all the ingredients were ready, they started rolling the makizushi all at the same time.

 

最終的に英文は次のようになります。

 

On April 5, a special event was held at the shopping district of Imari, Sega Prefecture. At the event, they made the longest makizushi in the world. At the event last year, they made a 212 meter-ling makizushi. But at the event this year, they wanted to make a 300 meter-long makizushi. They prepared 170 kilograms of rice and 1,700 sheets of nori and put all ingredients on a series of tables. When all the ingredients were ready, they started rolling the makizushi all at the same time.

 

例題 2:初級練習問題 131

 

「酒田市の最上川河口への今冬の白鳥飛来数は9550羽で過去最多となったことが、酒田市の白鳥を観察する市民グループの調査で分かった。同地域のこれまでの最多飛来数は2001年度の9284羽。本年度は2年ぶりに9000羽を超えた。」

 

報告書にはこの練習問題のように幾つかの数字を較べる必要があることが多いですね。日本文では「9550羽で過去最多となった」、「本年度は2年ぶりに9000羽を超えた。」のように簡略な表現方法があります。英文ではどのように表現したら、読者にわかりやすくなるでしょうか。

 

数字の比較を考慮して小文に分割してみましょう。

 

1.       「今年の冬は9550羽の白鳥が酒田市の最上川河口に飛来した。」

2.       「これは過去最多の白鳥の数である。」

3.       「これは市民グループの発見である。」

4.       「この市民グループはこの地域の白鳥を観察している。」

5.       「この地域で観察された過去最多の白鳥の数は2001年の9283羽である。」

6.       「今年は白鳥の数が2年ぶりで9000羽を越えた。」

 

「酒田市の最上川河口への今冬の白鳥飛来数は9550羽で過去最多となった。」のような日本語の表現は、先ずは上の1,2のような二つの小文にわけてみるのがコツです。

 

1.       Nine thousand, five hundred and fifty swans flew to the mouth of the Mogami River in Sakata City this winter.

2.       This was the largest number of swans on record.

 

2はThis was the largest number of swans ever in the area. This was a record number of swans in the area.と表現することもできます。1のNine thousand, five hundred and fiftyは読み難いかもしれませんが、9,550と数字を文頭に持ってくると、ここから文が始まる、ということがわかり難くなります。The total of 9,550 swans ~とすると読みやすくなり、文章に出てくる他の数字との比較もやさしくなります。

 

1と2はこの順序に並べてThe total of 9,550 swans flew to the mouth of the Mogami River in Sakata City this winter. This was the largest number of swans on record. でわかりやすい文章になります。

 

「酒田市の白鳥を観察する市民グループの調査で分かった。」

 

3.       This is the finding of a citizens’ group.

4.       The citizens’ group observes swans in this area.

 

「〜の調査でわかった」という表現は実務文によくあります。うえのような二つの小文を関係代名詞でつなげて表現できます。

 

This is the finding of a citizens’ group that observes swans in the area.

 

「同地域のこれまでの最多飛来数は2001年度の9284羽。本年度は2年ぶりに9000羽を超えた。」

 

これは5,6の二つの小文に分けて表現しましょう。

 

5.       The largest number of swans observed in the area in the past was 9,283 in 2001.

 

これはThe largest number of swans was 9,283 in 2001.The number of swans was observed in the area in the past.の二つをThe largest number of swans that was observed in the area in the past was 9,283 in 2001.を簡略にした表現です。下のような表現もよく使います。

 

「その数は2002年には1500で、2003年には1800であった。」

The number was 1,500 in 2002 and 1,800 in 2003. 

 

「その数は2002年の1500から2003年の1800に20パーセント増加した。」

The number increased 20 percent from 1,500 in 2002 to 1,800 in 2003.

 

6.       This year, the number of swans exceeded 9,000 for the first time in the last three years.

 

「2年ぶりで」は良く考えてみると「3年目に初めて」ということになりますね。

 

全体の文章は次のようになります。

 

The total of 9,550 swans flew to the mouth of the Mogami River in Sakata City this winter, the largest number of swans on record. This is the finding of a citizens’ group which observes swans in this area. The largest number of swans observed in the area in the past was 9,283 in 2001. This year, the number of swans exceeded 9,000 for the first time in the last three years.

 

 

(5) 効果的に句を使う

 

日本文の内容を小文に分割して書き直してから、小文の内容を表現した英文を句に簡略化できることもあります。

 

例題 1:初級練習問題 135

 

「日本への留学生が昨年、初めて十万人を突破した。五年前のほぼ二倍。日本で就職を希望する留学生は三千人を超える。国籍の別なく、優秀であれば採用する。そんな姿勢の企業も増えつつある。」

 

先ずは小文分割です。

 

「日本国内の外国人学生の数は昨年初めて10万人を越えた。」

「日本への留学生(の数)」を直訳すると (the number of students coming to Japan for study)となりますが、もっと直裁に「日本国内の外国人学生の全数」と言い換えられます。

The total number of foreign students in Japan has exceeded 100,000 for the first time last year.

 

「この数は過去5年間でほぼ2倍になった。」

「この数は5年前の数のほぼ2倍である。」と日本文にはあり、英文ではThe number (of foreign students) was about twice as large as (the one) five years ago. と表現できます。英語には「2倍にになる、2倍にする」という意味の自動詞、他動詞doubleという単語があります。動詞を使うと文の内容が強く表現できます。The number (of foreign) students has doubled in the last five years.

 

「三千人ほどの留学生は(彼らが学業を終えた後に)日本で働きたいと願っている。」

「彼らが学業を終えた後に」は日本文には書いてありませんが、文章の内容を明確にするには入れたほうが良いでしょう。「3000人ほど」にはSome 3,000という便利な表現方法があります。

Some 3,000 foreign students want to work in Japan after they finish school.

冠詞を付けずにschoolとすると「学業、勉強」という意味の抽象名詞になります。go to schoolschoolと同じですね。

 

「国籍の別なく、優秀であれば採用する。そんな姿勢の企業も増えつつある。」

 

これはごく普通の日本文ですが、さて英文で表現しやすいような小文に言い換えようとすると難しいですね。どんな情報がこの文に含まれているかしらべてみましょう。「企業は学生を採用する。」Companies employ students. 「企業は学生の質に関心がある。」Companies are interested in the quality of a student. 「企業は学生の国籍には関心がない。」Companies are not interested in the nationality of a student. 「このような企業の数が増えている。」The number of such companies are increasing. という情報がこの短い文には含まれています。

 

さて次は、上の情報をどのように整理するかですね。「学生を採用する時に、幾つかの会社は学生の質だけに関心があり、学生の国籍には関心がない。」Some companies are interested only in the quality of a student but (are) not (interested) in the nationality of the student when they employ a student. と小文を連結することもできます。この文だけでは文章の前の部分との関連がよくないので、「幾つかの日本の会社は既にこのような状況に対応している。」Some Japanese companies are already responding to such a situation. と入れてみましょう。するとこの部分の英文は次のようになります。

 

Some Japanese companies are already responding to such a situation. They are interested only in the quality of a student but not in the nationality of the student when they employ a student. The number of such companies are increasing.

 

 これで一応日本文の内容を伝える英文ができました。ただし、最後のThe number of such companies are increasing. the numberは単数ですが、companiesは複数で、このごろの英文ではこの複数の方に対応してis だはなくareにすることが多くなっています。)がとってつけたようで文章の中の納まりが悪いですね。「〜の会社の数が増えている」はAn increasing number of companies ~という便利な表現方法があります。この表現方法を応用してみましょう。

An increasing number of Japanese companies are already responding to such a situation. They are interested only in the quality of a student but not in the nationality of the student when they employ a student.

 

 前に作っておいた英語の小文を入れて、文章全体は次のようになります。

 

The total number of foreign students in Japan has exceeded 100,000 for the first time last year. The total number of foreign students has doubled in the last five years. 1Some 3,000 foreign students want to work in Japan after they finish school2. An increasing number of Japanese companies are already responding to such a situation3. They are interested only in the quality of a student but not in the nationality of the student when they employ a student.

 

1では最初の二つの文では主語が同じですね。「2倍になった」の方が「10万人を越えた」より大まかな表現なので、この文を最初に持ってきましょう。

 

The total number of foreign students in Japan has almost doubled in the last five years and exceeded 100,000 for the first time last year.

 

2の文と前の文の内容の連絡をよくするために何か副詞句が欲しいですね。「そして現在は」Now、「その結果」As a result、「その上に」Moreoverなどありますが、どれが良いでしょう。「留学生が増えていて、そのうえ日本で就職希望の学生もたくさんいる」という内容で連絡したいのでMoreoverを使ってみましょう。留学生の増加と日本での就職希望者の増加との因果関係を強調したいのであれば、As a resultが良いでしょう。

 

3の文も前の文との連絡を良くしたいですね。ここでは簡単にandで内容の時間的な流れが連絡できます。

 

The total number of foreign students in Japan has almost doubled in the last five years and exceeded 100,000 for the first time last year. Moreover, some 3,000 foreign students want to work in Japan after they finish school and an increasing number of Japanese companies are already responding to such a situation. They are interested only in the quality of a student but not in the nationality of the student when they employ a student.

 

これで日本文の内容を正確に伝える英文が完成しました。英文のそれぞれの文の構成は簡単なものであることに注意してください。

 

次の例題の主旨である「効果的に句を使う」を説明します。

 

「国籍の別なく、優秀であれば採用する。そんな姿勢の企業も増えつつある。」の「国籍の別なく、優秀であれば採用する」を上の例ではThey are interested only in the quality of a student but not in the nationality of the student when they employ a student. と文で表現しました。「〜の別なく、〜に関係なく」という表現に近い英語の表現にregardless of ~というものがあります。また、「優勝であれば」を「質を基準にして」と言い換えると「〜を基準にして」on the basis of ~という常套句が使えます。

 

これらの常套句を使うと最後の文は次のように表現できます。

 

They employ students on the basis of their qualities regardless of their nationality.

 

とても簡略な表現になりました。しかし、「国籍の別なく、優秀であれば採用する。」の中のどの言葉を和英辞書で引いてもこのような常套句は出てきません。これらの常套句を使うには先ず「国籍の別なく、優秀であれば採用する。」を「企業は学生の国籍に関係なく、質を基準にして、採用する。」と言い換え、このときに「〜に関係なく」と「〜を基準にして」の常套句が使えることを知っていなければなりません。

 

このような常套句は直接に和英辞書で見つけられないので、英語の新聞、雑誌、本を読んで便利な常套句を見つけた時に書き抜いておく、などして覚えていく必要があります。

 

「国籍の別なく、優秀であれば採用する。そんな姿勢の企業も増えつつある。」の例のように、私たちがごく普通の書く日本文には私たちの長年の日本語の蓄積が反映されています。そして、同様な日本語経験を持つ人とコミュニケートできます。しかし、このような文を英文で表現しようとするときには、まず日本文を(主語+動詞+目的語)という英文の基本形になるような日本語の形の書き直さなければなりません。こなれた日常的に使う日本語の常套表現ほど、日本語の蓄積、日本文化の蓄積が濃厚に反映されているので英文の基本形になるような日本語への言いかえが必要になります。