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上級練習問題 6−10

 

練習問題 6 「教育の役割」

 

教育の役割は大きく分けて三つあります。一つは今まで人間が蓄えてきた知識を効率的に、体系的に教授すること。二つめは新しい知識を自分で得る方法を教えること。そして三つめは自分の考えをまとめて発信する方法を練習することです。従来の日本の教育は一番目の目的を強調して、2番目と3番目の目的にはあまり注意を払いませんでした。これでは教育として十分な役割を果たしてきたとは言えません。

 

現代では知識の深さ及び広がりがすべての分野加速しています。このような社会では一人でいろいろな分野の新しい知識を理解するは不可能です。自分の知識を他の人に発信し、他の人から新しい知識を体系的に取り入れることが必要になります。これからの教育は、このようなこと各個人が出来るような基礎を作ることを目標にするべきです。

 

練習問題 7 「先送りの罪悪」

 

日本企業の良くない習慣として、「結論の先送り」というものがある。結論を出すことで生じる軋轢を避けるがために、今ここにおいては曖昧な結論だけ出しておき、大きな結論は後進に任せるというものである。

 

毎日の新聞紙上を賑わしている事業リストラにおいて、この「結論の先送り」が目立つ。本来、清算あるいは売却すべき事業であるにもかかわらず、難しい意思決定をする勇気がないため(多くの場合先輩であるOBに気を使って)、せいぜい分社化でお茶を濁すような無難な意思決定に留めたりすることが多い。その結果、数年後には株主の圧力に耐えられなくなり、いよいよ売却することになるが、「もっと早く売却していればもっと好条件で売却できたのに」という結果になっている。

 

練習問題 8 「日本人の将来」

 

人口の高齢化、構造改革の立ち遅れ、政治家の資質低下など、日本の将来を悲観させる要因ばかり目につく。しかし、よく考えれば、問題は「日本がどうなるか」ではなく、「日本人がどうなるか」である。この二つは同じでないのである。

 

これまでは、日本人の圧倒的大多数にとって、活動の場は日本に限られていた。だから、上の二つを同じと考えることは当然だった。現在でも、多くの日本人がそう考えている。しかし、少なくとも専門的職業に関する限り、活動の場は全世界に広がりつつある。

 

経済競争が世界規模になった今は、急速に発展する国が専門家を外国に求めざるをえない。外国人専門家に就職の門戸を開放する傾向は、今後ますます促進されるに違いない。

 

日本人が海外で個人として活躍するには、言葉の問題がある。しかし最も重要なのは、活動の場が国内に限定されないと認識することだ。これまでは、日本の経済成長が急速であったため、生活環境が異なり、知り合いも少ない海外にわざわざ職を求める必然性は乏しかった。しかし、事態はすでに大きく変わっているのである。日本の国内でベンチャーが成長できる環境整備を待つよりも、海外で事業を起こすほうがずっと早いと考える人が増加するであろう。

 

練習問題 9 「情報活用能力」

 

インターネットの普及の伴って、いろいろな種類の情報を自分で蓄積する必要性が低くなり、インターネットがそれを代行するようになった。このような新しい技術、社会の環境の変化は企業活動にどのような影響を及ぼしているのであろうか。

 

企業とは、個人レベルではなかなか手におえない複雑な情報を組織的に効率よく処理する仕組みである。企業の中に大量の技術情報や商品情報を蓄積し、それを使ってタイムリーに商品を開発するのである。

 

そのためには従業員の長期雇用や系列取引が重要な意味を持った。長期にわたって同じ会社で働いたり、同じ取引相手と付き合っていると、様々な情報が従業員や取引企業間に蓄積され、共有されるからである。

 

しかし、本格的なネットワーク社会になると、インターネット上にこれまで専門的と思われていた様々な企業情報が蓄積され、利用可能になる。そうなると、企業は従業員を長期に囲い込む必要も、系列取引に固執する必要も薄れてくる。なぜなら、そういった知識や情報の多くはネットワークからいつでも取り出せるからだ。

 

そうなると、企業にとって必要なのは、いつでも取り込める情報を蓄積しておくことではなく、それらの情報を十分に活用しながら独創的なアイデアを生み出す「イノベーション能力」を持つということになる。

 

重要なことは、社内で蓄積し、自分しか知らないと思っていた多くの情報や知識はインターネット時代にはその価値が激減するということである。これからの時代に企業や個人に真に求められるのは、情報を貯め込むことではなく、いかにクリエーティブな発想でイノベーションを生み出せるかという「イノベーション能力」を磨く努力なのである。

 

練習問題 10 「資格獲得ブーム」

 

不況が長引き、いつリストラされるかわからないという不安な昨今では、また資格獲得ブームの時代でもある。何かの資格を取っておけばいざというときに安心、というわけである。

 

しかし、自分がこれからどういう行き方をしたいのかということ考えずに、ただ資格獲得に奔走しても、資格獲得のための投資が無駄になることが多いのではないか。

 

考えてみると上のような傾向は日本の教育問題と関連している。日本の教育で最も深刻な欠点は、ものの考え方をじっくり教えるスタンスが教育界になく、やたらと細かい知識を詰め込む受験勉強型に陥りやすいことである。このような教育観では生徒にじっくりと自分の将来を考える機会を与えるということはなおざれにされ勝ちである。